嘘ツキナ、恋ヲスル



―――――――――


「なる…み…っ!待っ…。」 


「待てない。」



抵抗する私の腕を、鳴海が軽々と押さえつける。



「ん〜…っ!鳴海…やっぱダメっ…。」


鳴海の部屋…初めて入った。



で、いきなりこの状況は…


非常にマズイ。



「嫌なら振り払えば?」



「う〜ぅ…。」

嫌な訳ないぢゃん。



でも…初めてなんだもん…



「恥ずかしい…てか…緊張するんだもんっ!」



フッ…と鳴海が笑う。



「うぅ…バカにしてる〜…どうせお子ちゃまですよ!」



「違ぇよ。バカにしてるんぢゃない。」




鳴海のクールな顔から分かる。



バカにしてない。真剣。


だからこそ余計恥ずかしいんだよ。




「鳴海…。」



「ん?」





「好き…。」




自分でも自然と、言葉がふいに出た。




「お前…やっぱバカ。散々我慢してたんだ。もう待たねぇ。」




「…え〜っ…!」



こんな事になるなら陽菜に相談してからが良かったな…。



陽菜ぁぁぁ…。





ピリリリリッ―


いきなり私の携帯が鳴った。


「鳴海…!待って、鳴ってる!」



「ほっとけ。」



陽菜かもしれないぢゃん!


「ストップ〜!!」





私は鳴海を押し退けて携帯に手を伸ばした。




「はい!陽菜?!」