「そんなのっ…分かんないよ!私…ショックだったんだからっ…。」
「悪かったよ。」
鳴海が一歩私に近付く。
「キスも…初めてだったのに…あんな事まで…怖かったんだから!」
「ごめん。」
また一歩。
「さっきだって頑張って鳴海に気持ち伝えようと思ったのに…冷たくされて…でもキスはやさしくて…」
「ああ。」
また一歩。
「っ…」
目の前に鳴海が来たと思ったら、きつくギュウっと抱き締められた。
「本当はさ、葉月が昂君の名前口にするのもむかついた。香水変えたのも付き合ったのも…思い出しただけでイライラする。余計カッコ悪いな。」
「うぅ…鳴海のばか…。」
私の顔は涙でぐしゃぐしゃだ。
クスクス鳴海が笑う。
さっきからクールな鳴海が表情をころころ変えるから、調子が狂う。
「なぁ。葉月…もう一回言えよ。」
「ん?」
鳴海の胸に埋まってた私の顔を引き上げる鳴海。
「なんで泣いてんの?」

