教材室はほこりと古い木の匂いがした。無造作に置かれた、いつ使ったのかわからない掲示物や壊れかけた机。いかにも教材室という感じだ。 「星野さん、こっち!この教材を美術室まで運びたいんだけど、一人じゃ重たくって。」 笑顔で手招きをする大橋先生。大橋先生ってこんなふうに笑ったり手招きしたりするんだって思うくらい普段はクールなんだけど。 授業中と放課後ではやっぱり切り替えてるのかな?オンとオフがはっきりしてるのかもしれない。 「でしょうね。大橋先生華奢ですもん。」 「ごめんなさいね。」