柱の陰から顔をのぞかせた紗季は私の姿を見て慌てて駆け寄ってきて
「大丈夫!?びしょ濡れじゃない!!」
ポケットからハンカチを取り出して私を拭き始めた。
「も~…また、百々瀬さんたちなんでしょ?いい加減、懲りないよね!……ってあれ?」
そう言って紗季は近くに立っている海羽に気づいた。
「誰かと思ったら海羽ちゃんじゃない!」
パット顔を輝かせた紗季は海羽に向かってにっこり笑った。
「久しぶりじゃのぉ~。紗季よ」
海羽もふっふっと笑って答えた。
「……え?」
この会話に驚いたのは私。
「どうして二人は面識があるの?」
私の記憶に間違いがなければこの二人が話したところを私は一度も見たことがない。
学年一可愛いと噂の海羽と紗季との共通点も見当たらない。
紗季は一般人だ。海羽とは住む世界が違う、はず……。
「なんじゃあ?紗季。
朱里には話しておらぬのか?」
「えっ!あ、う、うん……」
紗季の表情が曇る。
「どういうこと……?」

