ついに学校の駅まで着いて、今から入試があるのかと思うと、緊張が止まらなくなった。


「奈緒ちゃんちょっと緊張してきたでしょ〜?」

とニヤニヤしながら聞いてきた


ほんとは緊張してないって見栄を張ろうと思ったけど、あまりの緊張で


「‥緊張‥してます‥」

と震える声で言うことしかできなかった。


思ってた以上に私が緊張してるのをみて、びっくりしたのか、


目を見開いてから、クシャっとした笑顔で


「絶対大丈夫!奈緒ちゃんなら受かる!」

と真面目なトーンで言ったかと思えば


「‥気がする!」


とからかうように言った。


「もうー‥最後の気がするは余計ですよ〜」


と緊張が少しほぐれて私まで笑えてきた。


私、この人の笑顔が好きだ。






この時はまだ自分のほんとの気持ちに気づいていなかった。