「さて、帰るかぁ……」 ふわあとあくびをひとつしてから教室を出る。 廊下を歩いていると、涼介と出くわした。 「あれ、お前もう帰んの?」 「ああ。誰かさんの頼みでな」 「あそ」 事情を察したのか、どうでもよさそうな顔をする涼介に手を振って外に出る。 「あったけ~」 またしてもあくびが出る。 この季節は眠くてかなわない。