なんだかやけに凝ってる。

まあいいか。要は着れればいいのだ。

さて、彼女を探しにいかねばと立ち上がったは良いが、やはり周りがなんだかおかしい。

烏帽子つけた方々が私にお辞儀をしていきながら急ぎばやに立ち去る。

その中の人の良さそうなのを引き止めて先ほどの池の場所を聴いてみたが

「はあ、池とはなんのことでおじゃりましょう?」

とおじゃる丸みたいな返答

いよいよおかしいと迷路のような御所を抜け街に出てみる。

ここは一体ドコデスカ?

文明という言葉がスッポリと抜け落ちた京都の風景が私を圧倒する。

道行く人々は皆着物。

車の代わりに牛の車が往来し、互いに引っ掛かって喧嘩になっている。

真っ直ぐ延びた道は辛うじて私の知っている京都だがいかんせん建物の古さが筆舌に尽くしがたい。

なので尽くさないことにする。

築年数とかそういう問題ではなく、とにかく古いのだ。

なんだか目眩がしてきた。

春だというのに肌寒い。

その上一番あべこべなのは皆微妙に小さいのだ。

恐らく町民だと思われる女性など高くても130センチくらいしか無い。

男性はどうにかもう少し高いがそれでも150チョイあるかないか。

158センチの私の方が大きい気がする。

それに顔。

皆なんとのっぺりしたこと!

二重なんて皆無だぞ

なんだなんだ一瞬で一体なにがあった

新手のテロか?

認めたくは無いが私の本能は気付いていた。

これは何かの催しでも仮装大会でもなんでもなく、恐らく私がどこかの世界に紛れ込んでしまったということに。