「・・・い。おい。大丈夫か?」

誰の・・・声?知らない人の声。
私、生きてるの・・・?頭が痛くて、目を開けることが出来ない。
かろうじて、片目がうっすらと開いた。

「目が覚めたか?よかった・・・」
ぼんやりと見えるのは、男・・・の子?えっ!?
男の子!?

「わっ・・・!」
私は慌てて飛び起きた。

ズキン。 頭に激痛が走り、顔が歪む。
「まだ、寝とけ。」と、男の子にたしなめられ、体を戻した。

「ここは・・・どこ?あなたは・・・?」

「俺の名前は、レオ。魔族。ここは魔法都市、ベルヴィーク。にある俺の家のベットの上。」

ベルヴィーク・・・?そんな所、聞いたことがない。とにかくお礼をしなければ。

「ありがとう」 私は、ゆっくりと身を起こし、礼をする。

「私は、サラ。今回は助けてくれてありがとう。ところでレオ、ベルヴィークって・・・?私聞いたことがないの。」

それを聞いたレオは、すごく驚いていた。

「はぁ!?お前正気か・・・?ベルヴィークっつったら、世界最大の魔法都市じゃねーか!」

「最大・・・?え・・・?フィオナじゃないの?」

「フィオナぁ?」

レオは、お前馬鹿じゃね?とでも言いたげな顔をした。

「お前な〜。フィオナっつったら、伝説上の魔導大国だろ?」

「伝・・・説?」
「ほら、この本」

レオから受け取った本を開いた私は、絶句してしまった。

『〜フィオナ〜 
伝説上の都市であり、特殊な呪文を用いて魔法を使う、天龍族である王族は、図り知れない力を持っているとされ、金色(こんじき)の髪と、紫色の瞳を持王女、オリビアは世界を滅ぼすとされている。フィオナが存在するかしないかは、世界中の魔法考古学者の中で意見が分かれている』

どっ、どういうこと!?私が、世界を!?