〜ここは、誰でも自由に魔法が使える世界~

起床のファンファーレが遠くに聞こえる。
(あ・・・あと5分・・・)

私は、ファンファーレを無視し、もう1度眠りについ・・「王女様!?何をしていらっしゃるんです!?」
「ふわあああ!」

すぐ横で聞こえた声に飛び上がる私。

「フィオナ国の王女であるあなた様が、お寝坊など許されるはずありませんわ!早くお着替えになられてくださいね」

あちゃ~、怒られちゃった。

私は、サラ。サラ・フィオナ。ここ、フィオナ国の国王、ジェイド・フィオナと、女王マリア・フィオナの一人娘。要は王女ってこと。魔界名は、オリビア・セーラ・フィオナ。

私は、この暮らしが大嫌いだ。

幼い頃から魔法の修行をさせられ、強くなり過ぎた魔力のせいで友達はできず、いつも1人だった。

「王女様~?」
「ただいま参ります」

私は、少々イライラしながら返事をする。

のろのろと身支度をし、朝食を食べるべく食堂へ向かった。

「失礼いたします」
「3分遅刻だ。サラ。」
ほ~ら。出た。

「申し訳ありません、お父様」
「お前は、フィオナ国の次期当主だ。いい加減自覚を持ったらどうだ?」
「はい・・・。まことに申し訳ありませんでした。」
「以後、気をつけるように。」
「はい。」

そして、静かな食事が始まった。美味しいご馳走も、美味しくないよ・・・。