無言で差し出された腕
…の、先にはご飯茶碗


あれ、もしかして?
受け取ると、目も合わせず
黙々と食べ続ける


これって…おかわりってことだよね?
小山課長の顔を見ていたら
やっぱり、と思った


席を立ち、キッチンへ向かった
炊飯器を開け
炊き込み御飯をよそう


たくさん食べて欲しい、と
二人なのに五合も炊いてしまった

ご飯茶碗をもち、小山課長の元へ戻る
はい、とテーブルに置くと
やはり…と嬉しくなる



小山課長、耳が赤い
顔はいつもと変わらない無表情なのに
耳に現れるんだ

今日の収穫、と嬉しくなる



「熱は?」


食事が終わり片付けをしようとしたら
さすがに小山課長に怒られてしまった


『大丈夫です。お世話になりっぱなしで…すみませんでした。あ、明日、帰ります』


明日は土曜日
仕事は休みだが流石に
帰らないと、申し訳ない