早く、という目力
恐る恐る小山課長の部屋に入る



うわっ…


玄関に入れば
たたきが広い
そして、廊下とたたきの段差がない
きれいなフローリング

…あ、やっぱり
前に来たことがある



部屋に入って
忘れていた記憶が蘇る


お邪魔します、と断りを入れ
靴を脱いだ


これまた無言で小山課長は
靴を脱ぎ、リビングへと行ってしまった




「適当に寛いでいろ」



そう言われ20分
私はリビングのソファに座って
読みなれない雑誌に目をやりながら
キッチンに立つ小山課長に目をやる


ワイシャツの袖を捲り
料理をしている小山課長
…なんだか、いつもの彼ではない

どうしたものか…
手伝うと言ったが断られた
だからもう一度言う勇気はない

小山課長は何がしたいんだろう
付き合わないと断ったのに
俺の女だという…

どうしてそこまで私にこだわるのか…