結婚…、そんな甘っちょろい夢物語
私には必要ない

父と母のようにはなりたくない
そして、子供も…


母のような母親になりたくない
そうならないようにすればいいって
思ったこともあったが
私の身体には、あの人の血が流れている

いつ、どうなるかわからない
だから…必要ないんだ


短大の時は休みに入ると
祖母の家に帰ったが
社会人になると、そうはいかず
なかなか帰れなかった


久しぶりに帰った時
私は愕然とした


だって、祖母の家が取り壊されていて
跡形もなくなっていた
近所のおっちゃんが私の姿を見て驚きながらも、状況を説明してくれた



祖母は既に亡くなっていた
風邪をこじらせ肺炎を起こしてしまった
祖母はかなり前に亡くなった祖父と
娘である母だけの家族

祖母の葬儀は家族だけで済まされ
家は売りに出されたという