初めての相手は無愛想上司



【先に行く。朝食はしっかり食べるように。体調が優れないなら休むように】


きれいな字で書かれていた
私と顔を合わせないようにしたのだと理解したが、やはり顔を合わせにくい


小山課長が作ってくれた朝食を食べ
いつも通り会社へと出社した
おはようございます、と資料課へ入ると驚いた顔をしている蔵田課長

多分、小山課長から休むかもと聞いていたのかもしれない
蔵田課長からの言葉を待つ前に
更衣室へ行き鞄を入れた


「おっはようございます」


元気のいい伊藤さんが入ってきた
おはよう、と返事をすると
じーっと私を見てくる伊藤さん


『…な、な、何?』


「んー、もしかして昨日泣きました?」


ギクリとしたが、泣いていないと言って
自分の席に座った
何も考えたくない
だから仕事に打ち込む