捨てよう、
ビニール紐で束ねた

いらない、必要でない
そう言葉に出した
言葉になっていなかったかもしれない
涙が止めどなく溢れて
うまく束ねられたか微妙


気がつくと、外は真っ暗
私には好都合だ
束ねたカタログを持ち
マンションの1階にある
資源ゴミ収集場へ置いてきた


明日、不動産屋に行こうかな
新しい部屋を探して引っ越さないと。
前、住んでいたアパートに戻るのもいい
けど、最寄駅が一緒だと
偶然に会うかもしれない

それは…辛い、辛すぎる
ため息をつきながら
これからのことを考え
また部屋に戻ると、着信音が鳴っていた

誰だよ、とテーブルの上に置きっぱなしのスマホを見る
不在着信が5件と表示されていた
見てみると、5件とも小山課長

いつも、どんな時でも
連絡だけは欠かさない
それが嬉しかったけど
今はつらいものでしかない