どうやら、
私ではなく、小山課長でいいのか
そういう話だ
「だって、あなた。女の子に優しくないし、笑わないし。そんな男と一生一緒にいなきゃならないなんて、私が小夜ちゃんなら無理よ。楽しいときには一緒に笑って、どちらかが辛いときは寄り添って行くのが夫婦なのよ?」
ようするに
無愛想な小山課長でいいのか、という
最終確認だろう
母さん、と呆れたように言う
小山課長のお父さんは
うん、うん、と話を聞いているだけ
『あの…、意外と笑うんです。二人で笑ったり、私が辛いときは寄り添ってくれます。だから、大丈夫です。私に…』
『私に、小山課長をくださいっ!!』
思いっきり頭をさげる
自分の膝に額がゴツンとぶつかった
「小夜っ」
小山課長が私の身体を抱き起こしてくれ
額を覗き込んできた

