ニコニコしながら
私と小山課長を見ている…
気まずい、


「小夜と結婚するから」


さっさと帰ろうとする小山課長を
どうにか止めた私
その姿を見ていた二人は
あらあら、と嬉しそうに見ていた


「小夜さん、本当にこの子でいいの?」



小山課長のお母さんの言葉に緊張が走る
もしかしたら、反対されている?
やっぱり親がいない嫁なんて…

私には結婚なんて無理なんだろうか…
そう思ったら、この場から立ち去りたくなった


けど、違った


「母さん、何か小夜に文句があるの?」


そう言ってくれたのは小山課長
膝の上で握られた私の手は
優しくて温かい大きな手で握られていた


この手を信じたい、
この人となら、と
沈んだ気持ちがまた上昇する


「うふふ、ちがうわよ。文句は貴方よ」


そう言って指を小山課長へと向けられた