昨晩の余韻が残る身体
車に揺られながら、無言の帰宅
父の写真を写真たてにいれ
どこに飾ろうかウロウロしていたら
リビングがいい、と
私の手から写真たてを取り
目がつきやすい場所へと置いてくれた
ガラスのグラスに
小さな花束を入れ
父の写真の横に置く
笑ってくれているみたい
ホッとした
これでよかった、と ようやく思えた
「親父さんに見られているみたいだ、これからは場所をわきまえないとな」
そう言いながらも
小山課長は写真の前で
私の耳や首筋にキスを落としてきた
んっ、
あれ?もしかしてスイッチが?
いつだろうと考えていると
パチン、と同時に
胸元の締め付けがなくなった
『こ、小山課長っ!』
場所をわきまえるって
今、言ったばかりなのに!
振り向けば悪戯さんな顔をしている
「その顔、反則だろ」
もう、と怒りながら
小山課長の腕から抜け出した

