んっ…



なんだか、くすぐったい
手に何かが触れている



なんだろう…と
薄っすら目を開けると
私の手を嬉しそうに見ている人がいる


見ては愛おしそうにキスを落とす
なんでそんな顔をしてるんだろう…


覚醒していない頭で見ていたら
自分の指に光るものが見えた



…、あっ!
ようやく状況がわかった私は
身体を起こそうとした
そんな私に気が付いて
また私の手にキスを落とした


「おはよう」


『あ、お、おはようございますっ!』
『あ、あの、小山課長!ゆ、指輪…ありがとうございますっ』


どんな顔して…とか
起きるのが楽しみだと思っていたのに
そのまま、また眠ってしまった私

けど、あんな小山課長を観れたのだ
これはこれで良かった


「気に入ったか?」


当たり前じゃないですかっ!と
言いたかったが、それは出来ず
私の唇は塞がれてしまった