おはようございます、と
いつもと変わらず挨拶を交わす
昨日、顔を合わせていたが
私も伊藤さんも蔵田課長も
オンオフができている


「急な早退、休暇を頂きありがとうございました」


蔵田課長に頭を下げれば
大丈夫だよ、といつもの口調だ
席に着けば隣の伊藤さんが
「暇でしたからね〜」と
ボールペンをクルクル回している


席に座りパソコンを立ち上げた
始業のベルが鳴る
暇だとはいえ、資料課はやる事がある
だが、なかなか頭は働かない

休み明けだから、ではない
陽子はとんでもない言葉を
私に落としていった


似たような事は言われたけど
私ではなく陽子に言うなんて…と
恥ずかし目に遭ってしまった



「「あいつを手放す事はない。泣かせる事はあるかもしれんが、悲しませるような事はしない。」ですって。あんな事言われたら何も言えなくなっちゃった。だから結婚式くらい挙げてくださいって言ったらね…」