ムニッと
触られた感覚が…
偶然、という言葉は正しくはない
目で確認すると
小山課長の手が
私の胸を掴んでいる
痛くはないが…やめて欲しい
バクバクしている心臓が
今にも爆発しそうだ
『こ、こ、こ、やま、かちょ』
どうにか声を出したが
全く反応がない
何度か呼んだが、全くだ
いい加減、変な汗が出る
だって。だって…
私、シャツの下は
何もつけていない
汗が引いたら
夜用の下着を付けようと思っていた
けど、それができなかったわけで
薄い布一枚
だから小山課長の体温が
はっきり伝わってくる
どうしよう、と
かれこれ1時間以上、奮闘している
んん、とようやく
小山課長の瞼が動いた
小山課長、と呼ぶと
ゆっくり瞼が開いた
けど、まだ夢の世界なのか
焦点が合っていないような気がする

