唯一の愛をキミに【完】

そして、あの苛立ちやモヤモヤ、優越感の原因がわからないまま数日が過ぎたある日。


「はじめまして!一条 由香里です。唯ちゃんだっけ?充や律から聞いてるよ。哲、彼女可愛い子だね」


唯とふたりでごはんを食べに外へ出かけたら偶然にも由香里に出くわした。


モデル活動が忙しくなったのか大学でもプライベートでも会うことが少なかった由香里に少し心が弾む。


俺が隣にいる唯にではなく、目の前にいる自分のことが好きなんだと思ってもいない由香里は能天気に自己紹介をしてきた。


「はっ、はじめまして!日下 唯と申します!」


唯はガチガチに緊張しながらも由香里にぺこりと挨拶をする。


「初々しいねぇ、哲。どこでこんな良い子見つけてきたのさ」


「おまえまじ煩い」


由香里の身代わり、なんてもちろん本人に言える訳もなくて大きくため息をつく。


「いいじゃん!わたし、哲と恋バナしたいよ〜」


「は?やだよ」


言える訳もないし、何が楽しくて好きな女の惚気話を聞かなければいけないのか。