唯一の愛をキミに【完】

「だって!上原くん、すぐ、しっ…したって!!わたしたち付き合って3ヶ月経ってるのに…今日会った子が言ってて、それで!!」


「ちょっと唯、待って。落ち着いて。俺がなに?すぐしたって。誰が言ってたの?」


唯を落ち着かせて順を追って話を纏めたら、どうやら今日唯は大学内で見知らぬ女に過去に俺と付き合いはじめてすぐに身体を重ねたがあなたはどうなのか?と聞いてきたらしい。


おそらく、今俺と付き合っている唯に対しての嫉妬だろう。


そんなくだらない女と付き合っていた過去の自分を恥ずかしく思う。


「だから、わたしに魅力がないから上原くん…」


あぁ、唯の言いたいことがわかってきた。


唯と付き合いはじめて3ヶ月経つがまだキス以上は手を出していない。


それは唯に魅力がないからとかではなく、ただ一緒にいると何もしなくてもホッとするような、止まり木のような存在だから。


「俺にとって唯は過去の女たちと同じような簡単な女なんかじゃない。だから唯は気にすることはないんだよ」


「そっか、うん。ありがとう、上原くん」


そう言って安心したのかしばらくすると隣から唯の寝息が聞こえてきた。


寝ている唯を起こさないように静かに抱きかかえて寝室のベッドに寝かせる。


鍵をかけて玄関のドアポケットに投げ込めばいいか、と思い帰ろうとした。


が、俺の手を掴んで離さない唯に身動きが取れない。


無理矢理にでも離して帰ればよかったのに、なぜかできなかった。


この小さな手を離したくなかった。