唯一の愛をキミに【完】

それはもう何年も前のこと。


まだ由香里が充と付き合う前、何度か由香里を誘ってこうやってふたりで出かけたことがあった。


映画にカラオケ、ボーリング、ゲームセンター…賑やかな場所はあまり好きじゃないけど由香里が好きそうな場所は片っ端から連れていった。


由香里に惚れていた俺は由香里に良く見られようとかっこつけてたところもある。


しかも普段、行き慣れない場所は良くも悪くもペースが掴めないからせっかく由香里とデートしていても最終的には気疲れしてしまうんだ。


だけど、今日の唯とのデートはそんなことがなかった。


水族館は好きな方だし癒されるから疲れるなんてことはないけど、それだけじゃないのはちゃんと理解している。


今日は自然体でいられた。


あの子と一緒にいると息がしやすい。


もう少しだけまだ手を繋いでいたかった、と言ったら唯はきっとまた顔を赤くして照れるんだろうな。