唯一の愛をキミに【完】

唯の小さく暖かな手を繋ぎながらふたりでゆっくりと歩く。


楽しい時間というのはあっという間で、気付けばもう唯のマンションの目の前。


「上原くん。今日はありがとう。すごく楽しかった」


「俺も。唯と一緒に出かけて楽しかったよ。また行こうな」


そう言うと唯ははにかみながら嬉しそうに微笑んだ。


「じゃあまた明日。おやすみなさい」


「あぁ、また明日。おやすみ、唯」


唯がマンションに入っていくのを見届けてからその場を後にした俺は、先ほどまで唯と繋がっていた手をジッと見つめながら不思議な気持ちになった。


「……疲れてない」


何気なくボソッと出した声は暗い道にシンと響いた。