唯一の愛をキミに【完】

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「ゆーい!唯!これ、すごいよ。登録すると名前を呼んでくれるぬいぐるみだって」


「いりません。今日はオムツとトイレットペーパーと食糧を買いに来ただけなんだからね」


ベビーカーに乗った可愛い我が子がキラキラと目を輝かせていて、父親としては買ってやりたくなる。


だから充や律に甘やかしすぎだとよく言われるけど、上原家の場合、唯がしっかりしてるからバランスが上手く取れてると思う。


「彩も欲しがってる顔してるよ。ねっ、彩」


「ダメです。この前の彩の誕生日に両方の家からおもちゃいっぱい貰った上に哲くんが会社帰りにおもちゃ買ってくるんだもの。家がおもちゃで溢れかえっちゃうよ」


そう言われて確かに子ども部屋がおもちゃだらけなことを思い出す。


「それにっ…もっ、もうひとり増えたら更に狭くなるし…」


えっ…もうひとり?


「唯、それって…」


唯は母親になってしっかりしてきたけれど、照れると途端に顔が赤くなるクセは直らない。


「昨日、病院に行ったら3ヶ月だって。赤ちゃん」


あぁ、もう幸せすぎてどうしようもない。


「ハハッ、やったよ。唯、こんなに嬉しいことはない」


「うん。わたしも幸せだよ。哲くんと彩とこの子がいてくれて」


そういって唯はお腹をさする。


いつだか律が今の唯のようにお腹をさすりながら言っていた。


大切なものが増えていくって当たり前の様ですごく尊いものなんだよ、と。


今の俺ならその言葉の意味、わかるよ。