唯一の愛をキミに【完】

翌日、唯がバイト終わりの時間に合わせて律にまた電話を入れた。


「もしもし、律?俺だけど…」


『もしもし、なに?』


「唯、まだ店にいる」


「うん」


良かった、唯がまだ店にいてくれて。


電話をしながら俺は足早にフォルテへと向かった。


「律、昨日俺に言ったよな?悠長なこと言ってると横からかっ攫わられるって」


『うん』


「だから、今から俺が唯をかっ攫いに行く」


『はぁ!?今から来るって…確かにそうは言ったけど…ちょっと何考え』


まだ律が話途中だけれど無理やり電話を切る。


息を切らしてフォルテの前に着き呼吸を整える。


少し落ち着いて扉を開けると、昨日別れを告げたばかりの唯がカウンターに座って背中を見せていた。


「早かったわね。そんなに唯ちゃんと会いたかったの?」


くそっ、律はさきほど電話を途中で切った腹いせからか、からかうようにバカにしてきた。