唯一の愛をキミに【完】

「おっ、その子が噂のおまえのカノジョ?はじめまして、哲の叔父の上原喜一です」


自己紹介をしながら唯に握手を求めると唯もそっとその手を握り返した。


「はっ、はじめまして!日下 唯です!」


「可愛い子だな、哲。俺があと10年若かったらな〜。哲に内緒で今度デートしない?年上っていうのもなかなかいいもんよ?」


おい、クソジジィ。どさくさに紛れて何口説いてるんだよ。


唯と繋いでいる手を無理やりはがして叔父さんをギロリと睨む。


「いつまで繋いでるんだよ。エロオヤジ」


「おぉ!怖っ!こんなことで妬いてると嫌われりぞエロガキ」


叔父さんは中身が子供の部分があるからこんなやり取りは日常的だけれど、唯だけは絶対に渡さない。


けれど、そんなことを思っているとクスリと可愛い笑い声が聞こえた。


唯が笑ってくれるなら、まぁいいか。


「まぁ今日は一年記念日なんだろ?ゆっくりしていけよ。もうすぐ料理出来るころだから」


「あぁ、ありがとう。叔父さん」


「唯ちゃんも楽しんでいってくれ。哲のこと、よろしくな」


「はいっ!ありがとうございます!」


叔父さんが出て行ったあとまた静かな空間が訪れる。


「騒がしい人でごめんな」


「ううん。楽しい人だったね。上原くんのことすごく好きなんだね」


「男に好かれてもな…」


俺が好かれたいのは目の前にいる唯自身なんだけどな。