「大丈夫か?」
不意に手を握られ、引っ張られる。
「っ…」
バランス感覚には自信あったのに…
と今更落ち込む。
「大丈夫です、ありがとうございます」
なんとか平常心を保つ。
よし、上手くいった。
「お前、意外とドジなんだな」
「そうみたいですね、
あたしの足に霊でもいるのかな…」
小学生のとき聞いた噂を、なんとなくこぼしてみると
「れっ…」
そう呟いた先輩。
え?と思い、顔を上げると、目をぎゅっと瞑って耳を一生懸命塞いでいる先輩が、目に飛び込んでくる。
え、え、え!?
先輩!?なんか、超かわいい!!
え、写メ撮りたい…
パシャ
気付いたら、自分のスマホの画面には怖がる先輩の姿。
「……」
「ご、ごめんなさい!今すぐ消します!」
消したくないけど!とか思いながら、削除をタップしようとしたけど、
隣で、シャッター音が聞こえてくる。
「へっ?」
顔を上げると、舌を出した先輩の笑顔。
微かに動き始めた心臓。
今分かった。
あたし…

