すれ違い 太陽。 上



「大丈夫か?」


不意に手を握られ、引っ張られる。


「っ…」


バランス感覚には自信あったのに…


と今更落ち込む。



「大丈夫です、ありがとうございます」


なんとか平常心を保つ。


よし、上手くいった。



「お前、意外とドジなんだな」


「そうみたいですね、
あたしの足に霊でもいるのかな…」


小学生のとき聞いた噂を、なんとなくこぼしてみると


「れっ…」


そう呟いた先輩。


え?と思い、顔を上げると、目をぎゅっと瞑って耳を一生懸命塞いでいる先輩が、目に飛び込んでくる。



え、え、え!?


先輩!?なんか、超かわいい!!


え、写メ撮りたい…


パシャ


気付いたら、自分のスマホの画面には怖がる先輩の姿。


「……」


「ご、ごめんなさい!今すぐ消します!」


消したくないけど!とか思いながら、削除をタップしようとしたけど、


隣で、シャッター音が聞こえてくる。


「へっ?」


顔を上げると、舌を出した先輩の笑顔。



微かに動き始めた心臓。



今分かった。


あたし…