「先輩、彩乃のこと好きなんですよね?」



「…は?バカじゃねーの」



別にそういうつもりはなかった。


彩乃だと思って言ったこと。



今は彩乃を探し回っているところだ。



「美雪でもないし倉戸でもないし」


「じゃあ!誰なんですか」


そこでさっきから、ブツブツ言ってた先輩の口が口ごもる。



耳を傾けた瞬間、怒鳴られる。



「アホ!バカ!さっさと倉戸探せ!!」



「でた!先輩のその文句みたいなの!」



あたしそれ嫌いです!


そうは言えなかった。