「前にも言ったけど、俺は美雪以外に好きな奴がいるんだよ
俺はもうアイツなんてうんざりだし、今はその子で頭がいっぱいなんだよ」
いいなぁ。とか今思ってみたり。
「…先輩が好きになった女の子が羨ましいです」
何やってんのあたしー!
とか思ったけど、遅いわ。
急に引き寄せられて、抱きしめられた。
耳は弱くないはずだったのに、先輩の唇が当たった感触にくすぐったくなった。
「あー、もう。岡崎のバカ」
「えっ?」
いや急に抱きしめておいて、バカはないだろ。
「少しは気付け、アホが」
「せ、先輩は、あたしの文句しか言えないんですか!」
いつも先輩といればドキドキだし、まともに目だって合わせられない。
そんなに好きなのに…。
あたしはまだ勇気は出せないんだ。