向かい側の光景は、俺にとって今日一番のものとなった。
その向かい側では、満員電車では有り得ることだった。
「ひ、あ、の、おじさん!?」
明らかに怖がってるのは、バレバレで。
その隣の女は、初めての光景にビビって何も出来なさそうだった。
躊躇なく好きなところをさわり放題だ。
「くそっ…」
満員電車の中でさすがに叫べないし、蹴るわけにもいかない。
「倉戸がなんとかしてくれるよ」
そう言う光樹だけど、光樹の顔も引きつっていた。
初めて触られたぽくて、表情は嫌がって怖がってるのに、顔は赤い。
違う。その顔は俺がさせたかった。
そんなの絶対許さない。