「あーー!すっきりしたー!」
「あんたさぁ、せっかく先輩が殺つけようとか思ってたのに」
「いいのよ、限界だったんだもん」とか言い訳してるけど、彩乃にはあたしが怖がってたことはしってる。
うぅ、でも足の感覚気持ち悪い。
「あ、あたしちょっと席戻ってるね」
小走りで走り去った彩乃を見送る。
はぁ…なんで怒ったんだろう。
「黙って守られてりゃいいのに」
そう思ったのはあたしも同意で。
だけどそれは…迷惑に過ぎないと思った。
「好きで守ろうとしたんだ。本気で怒らせるようなヤツ、殺したって同じだ」
せめて潰すだけにしてください。と言いたいような顔をしてみる。
先輩は…笑った。
そうだ、その顔が見たかった。
ポロポロと目から落ちてくる涙。
だけど今更泣いたって、あたしの根はもうバレている。
だけど先輩は、そんなことお構い無しだ。
許可もしてないのに抱きしめてくる。
強く。だけどどこか優しく。
嫌なんて思わなかった。
逆に…もっともっとって求めてた。