「うわぁ! スゲーな、これ。」
俺は、かつて町があった、この場所をおおいつくすほどの大きな魔法陣を見てつぶやく。 一つ疑問に思ったことがあると感じるのだが、ここにいた住人は、全員俺が殺した。(死体はすべて町の中心に集めてある、。) 何故殺したのかだが、理由は二つある。
一つ目は、これから行うことと関係があるのだが、わかるだろうか(魔法陣と大量の死体でやれること。)。ここで、やろうとしていることは、俺の妹を生き返らせるための死者蘇生術だ。だから、その術に使うため、町の住人を殺したのだ。
二つ目。この町の住人は俺の妹を昔、手にかけたことがあるのだ。そのせいで妹はそれ以降、外に出ることを恐れ、部屋に籠ってしまったのだ。そして、ある夏に自殺してしまったのだ。だから、俺は、この町の住人を殺したのだ。
俺は、妹を殺した奴らを恨み、そして幸せそうにいていた人たちを妬んだ。
そして殺した。より恨みを晴らせるように、残酷に殺した。
それから、1週間。陣を完成させるため、野宿しながら、いままで生活いてきたのだ。ここまできたなら、失敗は、したくないと、俺は強く思った。
それから10分後。
「か、完成しましたよ~。」
陣の構成に、集中していた魔女が此方を見て怯えた声を出し、俺を呼んだ。
「・・・ついに、完成か。
・・・・・・いよいよ、だな。」
俺は、仕上げられた魔法陣を見て小さく呟く。
「・・・よし、始めてくれ!」
一呼吸置いてから、俺は魔女に魔法の発動を頼む。
「は、はい~。」
魔女は少し怯えた声で返事をし、人の言葉ではない言語を呟き始めた。
きっと、魔法の詠唱をしているのだと、誰でもみればわかるような光景を俺は今、心を躍らせながら待つことになった。
それから2~3分待ってみると、集めた死体の山の麓にある死体、俺の妹の死体が薄い青色の光に包まれた。
そして、もう少し時間が経つと、
俺の目には妹の指が動いたように見えたのだ。
「おい!今、動いた、のな?」
誰に問いかけた訳ではないのだが、魔女が俺の言葉に、反応した。
「は、はい。た、多分動いた、と思います。」
魔女はそれだけ言うと、また呪文の詠唱に取りかかる。
そんな魔女を確認した俺は、妹に少し近づいた。すると今度は、妹の息をする音が耳に入ってきた。
「那未(なみ)ー!!」
俺は叫んで、一気に妹との距離を詰め、あと少しで触れる、そんな時に。
「だ、ダメですよー!いま、触れたりなんかしたら!!」
だが、魔女の声が届いた時には、もう遅かった。
俺の指が触れた瞬間、妹の体を覆っていた薄い青色の光が消えた。そして、
「・・・んっ。んん~。」
「な、那未!!」
妹のうめき声が聞こえ、名前を叫びながら、俺は妹に抱きついた。
「那未!那未!な、 み・・・」
ブシュッ!!
「くっ!!」
抱きついていた俺の首元から、 
妹の顔がある方から、強烈な痛みが走り、大量の血が吹き出していた。
「な、 み・・・」
俺は妹の顔を恐る恐るみてみると、そこには生気の宿っていない顔があった。
そして俺は、妹に謝りながら妹に喰われて
死んだ。