そんなこんなで、朝食の後片付けは仲良く二人で。

エプロン姿の紫信に、要が身悶えたりしながら。


「キッチンの使い勝手は大体わかったカナ?
後で他の部屋も案内するよ。
明日からは、君一人の時間が増えるし」


「あら、お出掛けですの?
お仕事?」


「いや、学校。
ずいぶん休んじゃったから、そろそろ行かなきゃマズい」


「え?
要は人形作家をなさっておられるのでは?」


「なさってますよ?
15才の時にお披露目した娘がちょっとした賞を貰って、それなりに名も売れてる。
でも、高校生もやってンの」


(‥‥‥高校生…だと?)


思いもよらなかった要の肩書きに、紫信はあんぐりと口を開けた。

だって…


「似合わないと思ってるでショ」


あらら。
自分で言っちゃったよ、コイツ。

紫信は慌ててブンブン首を振る。


「そんなことありませんわ。
ただ…ずいぶん落ち着いていらっしゃると…
そのお年頃の方って、もう少し賑やかなイメージが…」


「うん、若さに欠けてて似合ってない、と」


あらら。
フォローすら蹴飛ばしちゃったよ、コイツ。