信太郎に解放された要ときたら…
「あぁ!なんて素晴らしいンだ!
忠実に人間を模していながら、非人間的の極みという不条理!
君こそ至上の神秘だぁぁぁぁぁ!!」
いつもの彼からは想像できないほど興奮しきった声で叫び、床に転がったまま見悶えていた。
見事にイってるネ。
君こそ至上の変人だ。
ごめん、ほんっとごめん、傷ついた君に究極の美を感じるどころか、劣情すら抱いてしまう不埒な僕を許してくれェェェェェ…
とかなんとか。
常人には理解出来ないセリフを吐きながらのたうち回る変人に、チラリと怪訝な顔で視線を送ったものの…
とりあえず放置でイイだろ、コレ。
ズリズリと這い進んで要を背にした紫乃は、残った右腕を広げて信太郎の前に立ち塞がった。
いやいや、座り塞がった。
「わたくしのこの身は、いかようにもお好きになさってくださいませ。
でも、この方を傷つけるのは、どうかもうおよしになって」
痛々しい姿で尚も要を庇う紫乃を見下ろし、信太郎は立ち尽くす。
「そんなにも…その男を…」
「まるでわたくしたちが不義の仲であるかのような物言いをなさいますのね…
でも、それは思い違いですわ。
この方はわたくしに親切にしてくださっただけ。
信太郎さんが疑うような間柄ではないのです」
「身を呈してまで…その男を…」
「信太郎さん、お願いですからわたくしの話をちゃんとお聞きになって。
花京院様は」



