花京院家の愛玩人形


「それは…

ふふ、ご存知でしたのね」


「…
綺麗だ…」


「なんですって?
いつも、なんて仰ってますの?」


「あー… えー…

君は綺麗だ、と言ってるンですよ?いつも」


「ま…」


「さっきみたいに悪戯そうに笑う君も。
今みたいに頬を赤く染めた君も。
あまりの美しさに、僕の心臓は止まってしまいそうだ」


「ま… ま… ぁぅ…///
もももうおよしになって、花京院様。
あまりの恥ずかしさに、わたくしの心臓が止まってしまいますわ///」


「よし、もうよそう。
君が死んだら、僕も生きてはいけない。
ハイ、コレ、今日の本」


「え…えぇ… え?
あ…あの…
ありがとうございます…」


なんか、サラっととんでもねーコト言いやがりませんでした?この男。

リアクションに困りながらも、紫乃は要が差し出す単行本をいつものように受け取った。

時が流れ、要が帰れば…


「…紫乃」


「まぁ、信太郎さん。
いつお帰りになられましたの?」


「…私のいいつけを破ったね?」