花京院家の愛玩人形


「そう、なるンですよ?」


「なんてことでしょう!
ではこの世界のドコカに、元はお人形だった方がいらっしゃるのね!」


「残念ながら、実際に『なった』という話は聞いたことがない。
ただでさえ稀な『人形師』二人分の『死せる生者の宝玉』を手に入れられるなんて、奇跡的な確率だから。
両目が揃わないと、不完全な仕上がりになってしまうみたいだしね」


「不完全な…人間?お人形?
どんな様子になってしまうのかしら…?」


「…
どうなるだろうね?」


「?
花京院様?
どうしてそんな風にわたくしをご覧になられますの?
顔にナニかついてますかしら?」


「…
いや、ナニも」


「そう?なら良いのですけれど…
ねェ、花京院様?
もしかすると花京院様の目も、いずれはその宝玉に…」


「いや、それはないな。
僕はただの人形作家だ。
娘たちが僕に話しかけてきたことは、まだ一度もないから。
きっと技術が拙いンだろうね」


「そうですの…
では、宝玉を直接ご覧になったことは?」


「…
どうだろうね?」


「?
花京院様?
やはりわたくしの顔にナニか…」