花京院家の愛玩人形


「えぇ!
どんなお話ですの?」


「お伽話のようなモノだから、気軽に聞いて。
人形作家の中にはね?
稀に、巧みすぎる技とあり余る愛とで、魂を宿した人形を作ってしまう者がいる。
その者らは人形作家ではなく、『人形師』と呼ばれているンだ」


「まぁ…
魂を宿したお人形ですって?
動けますの?」


「いや、動かないよ。
だが、自分たちを生んだ『人形師』に話しかけてくるそうだ。
もちろん人形同士だって会話することが出来る。
愛する人形たちととりとめもなく語り合う日々…
さぞかし不思議で、夢のようだろうね」


「本当にお伽話のようですわ…」


「さっき君は、人形は動くのかと聞いたね?」


「えぇ」


「動くと言うより、人形が人間になるという逸話もあるンだよ」


「まぁ、まさか」


「『人形師』が死ぬと、片目が『死せる生者の宝玉』になるそうだ。
宝玉と言っても、実際は無機物になった目玉なンだケドね」


「ま…
めめ…めだ…
花京院様、もうおよしになって」


「ごめん、ごめん。
話を先に進めよう。
ソレを、魂を宿した人形の目にすると…」


「お人形が人間になるンですの?」