花京院家の愛玩人形


別の日。
やはり窓は叩かれた。

コンコンっ


「こんにちは」


「いらっしゃいませ、花京院様。
どうぞコチラへ」


「…
綺麗だ…」


「なんですって?」


「あー… えー…
うん、まぁ座ろっか。
ハイ、コレ、今日の本」


「いつもありがとうございます。
コチラはお返しする分ですわ」


「どうだった?」


「とても面白かったですわ。
花京院様が貸して下さる本は、お人形を題材にした作品が多いですわね。
どこか恐ろしくて、でも幻想的で、美しくて…不思議な物語ばかり」


「人形は神秘の結晶だ。
そして僕は、その神秘に魅入られてしまった人形作家なンだよ」


「まぁ、お人形を作っておられるの?」


「興味ある?」


「えぇ!
出来るなら、拝見したいですわ!」


「いつか機会があれば、僕の娘たちを君に紹介しよう。
今日のところは…
本にはなっていない、人形の不思議な逸話があるンだケド。
興味ある?」