それから毎日、図工室の窓が見える辺りをウロウロして。

捜して。

見つけて。

後を尾けて、図書館に入って。

絵よりもず──っとキレイな実物にビビって、声をかけるのに時間がかかってしまったケド。

いいンじゃないっスかぁ?

カレシいないって言ってたし。

ビジュアル的には釣り合い取れてない気もするケド、あのドーリィフェイス相手じゃ、イケメン俳優だってアウトだろ。

優しいコーヅキ先生と、キレイで優しい紫信。

お似合いなンじゃないっスかぁ‥‥‥


「お似合いだとは思わない。
あくまで僕の主観だケド」


グスングスンと鼻を啜りながらコトのあらましを告白するタケルに向かって、要は吐き捨てるように言った。

やっぱり腕は組んだままだが、背は壁に戻っている。

そして、極限まで眉根が寄せられている。

『お似合い』が、そんなに気に入りマセンカ。
ソーデスカ。


「グスッ ンだよ…
先生のコト、なんにも知らねェクセに…」


「確かに知らないケド。
目を見て、語りかけて、抱きしめなければ彼女は愛せない。
遠くから眺めて溜め息吐いてるだけのヘタレより、愚直な特攻をカマした君のほうが、まだ見込みはある」


「えっ//!? オレっ//!?
そそそうカナぁ…///」


おいおい。
急にソワソワしてンじゃねーゾ、マセガキが。