結局、校長の長い祝辞にも、 先輩からの校歌紹介にも、 担任紹介にも、 何1つ興味をもてないままだった。 (ここに入学した意味あるのかな...) (まぁいいか、あんな家に長くいるよりは、学校で過ごした方が...) そんなことを考えながら、 莉乃はまたたった1人、 指示された教室へ向かう。 (確か、このクラスの担任は、 優しそうな女の先生だったな...) 黙って席に着くと、 周りは皆、もう友達を作り始めているようだった。