時も経ち、私は小学六年生になったことのことです。


「お、お願いっ…!」

今日はクラス発表の日。

もうクラス表は張り出されてるけど、込み合っていて入れないからちょっと離れたところからお願いしてるとこ。

その願いは、蒼と同じクラスになってること。

去年初めて同じクラスになっただけなんだから、今年も同じクラスでいいじゃん。

蒼と六年間同じクラスの人とかいるのかな?
…うらやましいよ。

去年は、いい人だな、ぐらいのちょっと気になってるぐらいだったけど、話したり、遊んだりしてるうちに、蒼のいいところたくさん知れて、気がついたら、好きになっていたんだ。

「あ。空いてきた」

一歩ずつクラス表に近づいていく。

―ドキ、ドキ。

「あ―…」

私、一組だ。

蒼は―…?

「鈴木…、鈴木…」

鈴木多いなぁ。

「鈴木…、すず…の…蒼―…」

あっ!同じクラス…!

やっ…やっ。
「やったぁ~!!」

あっ…!?

皆こっち見てる…!!
は、恥ずかしい!!

「なっ、何!?」

「あ…ぃや…?」

一緒にいた私の親友、佐伯凜が驚きながら聞いてきた。

凜にはまだ蒼の事が好きなことは言ってない。

てゆうか、誰も知らない!…はず。

「あ!同じクラスだよ、愛結!」

「えっ!ほんと!?」

「え…!?それで喜んでたんじゃないの!?」

「あ…ははっ…」

「誰と一緒で喜んでたんだぁ~!」

「い、いひゃいよ…凜~」

凜が私のほっぺたをつまんで、ぷにぷにしてきた。

「じゃ、教えて?」

「うぅ…」

「嘘嘘。まあ、いつかは教えてね?」

「う、うん?多分…」

「絶対っ!」

「はーい」

とりあえず、返事だけ…。

「返事だけ、とかやめてね?」

「え!?な、な、なんでっ…それを…」

凜は笑いながら「見てれば分かる」って、言った。

そんなに顔に出やすいかな…?
うーん。

でも、よかった。

うれしいよ、同じクラスは。

私はもう一度クラス表をしっかり見てから教室に向かった。