Tender Liar



「ほんで?付き合ってくれるん?」

「え、あ・・・まあ、うん」

「何やねん、その間は。ほんま、はっきりせえへんな」

「いいじゃん、別に。そんなこと言うんなら――」

「あー、ごめんごめん。俺が悪かった。だから、もう一個だけ頼んでエエかな」

「え?何それ。まだ、何かあるの?」

「・・・うん、あのさ――」


――俺と一緒に、アメリカに来てくれへんかな。


彼の口からは、そんな思いがけない言葉が飛び出してきた。

私は瞬時に彼の言ったことを理解できなかった。

そのくらい、彼の言葉には驚いた。


そこでふと脳裏を掠めたのが、仕事のことだった。

柿本大翔との一件があり、私は今日から一ヵ月間の謹慎処分を受けているのだ。

そのことを、まだ彼には話していない。

このまま隠し通すなんて、そんなの、きっとできない。

だったら、今のうちに言っておかなくては。


私は気持ちを奮い立たせ、意を決して彼に事の経緯から全てを話した。

その間、彼はじっと黙って私の話を聞いていた。