あの、懐かしい笑顔を添えて。
彼は、何一つ変わっていなかった。
十年前の、あの頃のまま。
そのことが、私は素直に嬉しかった。
「どうしたの、急に」
「何や、驚いてへんのか」
「そんなこと、ないけど」
「なぁ、ユズ。せっかくの再会で悪いねんけど、ちょっと頼まれてほしいんや」
彼はそう言って、真っすぐに私を見つめていた。
何の連絡もなしに彼がわざわざ私を訪ねてきたのは、きっと、この頼み事があったから。
必死なんだろうな、と思った。
どうしても、誰かの力が必要なのだろう、と。
たとえその「誰か」が、私であったとしても。
だから、私は頷いた。
彼の話を聞くよりも先に。
ほんまにエエんか、と彼は何度も訊ねてきたが、私はその度に頷いた。
「ほんまやねんな?」
「うん、ホント」
「そっか。ほんなら――」


