「あ・・・そうですか」
「うん。でもまさか、片山が、ね」
「・・・彼に、非はないですから。私が、全部悪いんです」
「ふぅん、そう。でも、もう既に結構知れ渡ってるよ」
「やっぱり、そうですよね。できれば、生徒の耳には入れたくないんですけど」
「え、何言ってんの?自分で蒔いた種じゃん」
彼の言い方に多少腹は立ったが、私は何も言い返せなかった。
彼の言ったことが、正しかったからだ。
「自分で蒔いた種」。
そう、その通りだ。
その種が芽を出してしまう前に、私はそれを一つ残らず摘み取らなければならない。
その種にはきっと、私のいない一か月間、水や栄養がたくさん与えられるだろう。
たくさんの人が育てたその種を、私は、自分一人の力で根絶やしにしなければならない。
それは、どんな方法で?
自問してみたけれど、何一つとして答えは得られなかった。
情けない、と私は思った。
私は結局、今後どうするかを決められないまま、学校を出た。
これから一ヵ月、私はどうすれば良いのだろうか。
最寄りの駅から家までの道を歩きながら、私は考えていた。
私は昨日、この道を、彼――柿本大翔と、歩いた。
それを一体、誰が、どこから見ていたのだろう。
そんなことを考えても、仕方がないのだけれど。


