そんな感情を心の隅に追いやって、私は二人と他愛もない会話をする。

しばらくしてから私たちは、電車に乗って千葉を出た。


「そういえば、柚紀ってどこの大学通ってるの?」

「東京学芸大学、です」

「え、じゃあ、将来は教師になるんだ」

「まぁ、はい。一応そのつもりです」


そっか、と言って香月先輩はにこやかに微笑んだ。

彼女は確か、融と同じワシントン大学の医学部に所属していたはずだ。

まあ、海外の大学、ましてや医学部なんて、私とは全く無縁なのだけれど。