今年のお正月に、融から届いた手紙。
私はそれを、一日に何度も読み返していた。
彼が日本を発つ少し前から、私たちは付き合い始めた。
私の呼び名は「柚紀ちゃん」から「ユズ」へと変わり、彼の呼び名は「三上さん」から「融」になった。
「今年の夏に一度、日本に帰る」。
その言葉通り、彼は今日、ここへ戻ってくる。
私は今、それをじっと待っているのだ。
時刻は、午前10時になったところだった。
もうすぐ、彼の乗った飛行機が、ここ、成田の地に降り立つはずだ。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
設定されていません
読み込み中…