「三上さん」


私は、欲張りだ。


「ん?何や、急にどうしたん」

「私も、好きです」


さっきまでの覚悟は、一体どこに消えてしまったのだろうか。


「え?」

「私も、三上さんのことが、好きです」


私がそう言うと、彼は、何だか照れ臭そうな笑顔を私に返した。

それからゆっくりと私に歩み寄り、優しく、私を包み込んでくれた。

それから耳元で、ありがとう、と囁いた。

私は、そんな彼が、愛しくてたまらなかった。


三上融さん。

それが、私の好きな人。

初めて、好きになった人。

私の、初めての、恋人。