Tender Liar



「・・・え?」


私は一瞬、耳を疑った。

そして思わず、立ち止まってしまう。

そんな私に向かって、三上さんは優しく微笑んだ。

それから、そっと、私のことを抱きしめた。

香水の匂いに混じって、ほんの少し、汗の匂いがした。

けれどそれは全然嫌な匂いじゃなくて。

そんな匂いに包まれながら、私は思った。

三上さんが好きだ、と。