Tender Liar



そんな私の心の声が彼に届いたのか、三上さんは不意に、私の手の上に自分の手を重ねた。


「わっ、びっくりした」

「ごめん、柚紀ちゃん」

「え・・・?」


彼は、手を重ねたまま、「ごめん」と呟いた。

どうして謝られているのか、その理由が私には分からなかった。

というより、そんなことを考えている余裕が、私にはなかった。


重ねた手を、三上さんは優しく、包み込むようにして握った。

それから、こう言ったのだ。

「俺は、いつでも、ここにおるから」。